【氷川キャンプ場】ソロキャンチュートリアルだ、と女は思う
本当は行った直後に書きたかったのです。
思い出の鮮度が高いうちに、肌で感じた空気や雨の冷たさを書きたかった。
しかし、そんな甲斐性はない。
そもそも、甲斐性があればブログを一年も放置したりはしない。
わたしは、そういう女だ。
だから、今となっては懐かしい写真を、記憶とともに残すしかない。
なんとか思い出しつつ、それっぽく仕上げるしかない。
というか、覚えているのだろうか。
まぁ、覚えているでしょう。
どこに行ったとか、ここはこんな感じだったとか、そういうことが分かれば良いのです。
だってこれは、わたしの備忘録なのだから。
いいのいいの。
わたしは、そういう女だ。
一年も前のこととなると、流石に覚えていないことのほうが多い。
だから写真を撮るのだ。
忘れるから、新しいことを経験できる。
人間とは、そういうものだ。
さて。
まず記すべくは“徒歩キャンの聖地 氷川キャンプ場”
我が住まいからも近く、およそ60キロほど。
甲州街道をひたすらゆく。
徒歩キャンの聖地というだけあって、JR青梅線の奥多摩駅から徒歩数分のところにある。
こじんまりとしたリバーサイドキャンプ場。
近くにはスーパーがある、と聞いていたので、この日は食材をほぼ持たないまま向かった。
もしこのブログにたどり着いた人がいるのなら、まずこの助言をしたい。
食材は持っていけ!
スーパー……サミットとかオオゼキとかライフとかビッグエーとかまいばすけっととか、そういうものを想像していると痛い目に遭う。
わたしは遭った。
あるのは小さな商店。
キャンプ場利用客が多い為か、そのための用品は粗方揃っている。
ただ、食材などはそこまで豊富な種類はない。
缶詰とかでオッケー、というのなら充分であるが、きっちりと調理してキャンプ飯を楽しみたいひとは、なるべく食材を持っていくのが吉だろう。
ちなみにわたしは、お店の方が太鼓判を押すうどんとうどんスープを購入。
おいしかったなぁ。
なんで写真を撮ってないんだろうか……
このキャンプ場、徒歩キャンの聖地というよりかは“ソロキャンパーのチュートリアル”と言ったほうがしっくりくる。
正直、こんなにソロキャンパーが集っているキャンプ場をわたしは見たことがない。
右を見ても左を見ても、前も後ろも、あっちもこっちもソロキャンパー。
駐車場はガラ空き。
しかしみんな楽しそうであった。
ひたすらキャンプ飯を食ってるお兄さん、アウトドア浪漫を求めてデカい肉を焼いてるオジサン、キャンプに来てまでゲームをしていたお兄さん、編み物をしているお姉さん。
お隣に設営していたお姉さん。
初めてのソロキャンで、おニューのテント。
数十分経っても組み立てられず、見かねて声を掛けました。
女は思い出す。
コミュ障のくせによく頑張ったじゃん、わたし。
設営を手伝い、ほんの少し会話をしたっけな。
お連れさんは、食器を洗うときにも話をしたようだった。
まだキャンプ続けているといいな、お姉さん。
奥多摩駅周辺は東京都内とは思えないほど長閑で、すれ違うひとも少ない。
キャンプ場からぶらぶら歩いて行けるもえぎの湯。
道のりにあるトンネルも趣があって良い。
温泉施設で食べる蕎麦。
おいしかったなぁ、なんていったかなぁこの蕎麦。
忘れてしまった……
途中みつけたおしゃれなビアバーで一杯。
おいしかったなぁ、なんていったかなぁこのビール。
忘れてしまった……
都心からも近く、駅も近い。
商店も温泉も徒歩圏内。
街並みは長閑で、川の音も心地よい。
ソロキャンパーが多いだけあって、グループキャンプの若者がはしゃぐ声もない。
ファミリーキャンプの子どもが走り回ることも、誰かの愛犬が吠えることない。
静かなキャンプ場。
これはたしかに、初めてのソロキャンや、お試し徒歩キャンにはもってこい。
ただひとつ、車やバイクで行くひとに注意がある。
もしこのブログにたどり着いたひとがいるのなら、ふたつめの助言をしたい。
奈落のように下るぞ!
そう、キャンプ場あるある。
受付を終え、さぁサイトへ向かおう!というときによくあるのだ。
- 受付・駐車場とキャンプサイトの高低差が激しく、重たい荷物を背負ったまま奈落の底へ向かわねばならない。
リバーサイドやレイクサイドによく見られる。
肩や腰が死ぬ。
- 受付・駐車場からキャンプサイトがやたら遠い。
リヤカーを貸し出しているところも多いが、ないところもある。
肩や腰が死ぬ。
氷川キャンプ場は①に該当する。
結果、わたしの肩と腰は多大なダメージを喰らった。
ちなみに、「奈落のように下る」と表現したのはお連れさんである。
サイズ、重さ、ともにマックスのリュックを背負って歩くお連れさん、ようは母であるが、わたしの母親なだけあって体が小さい。
大きなリュックを背負う姿を見て、いつも女は思う。
二宮金次郎みたいだ、と。
本人にも言っている。
「二宮金次郎だ」と。
最近の我が家ではニノキンと略されるまで親しみある偉人と相成りました。
バイクで行くひとは、是非、奈落へ続く急こう配に肩と腰を捧げて欲しい。
なんといっても、その後の温泉が最高だから。
女は思う。
あぁ、思ったより覚えていないな、と。